青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

ブエノスアイレスのバルビエ 「ブレオ氏の出会い」G.バルビエ

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コレクターにはよく知られたことですがバルビエの挿絵本はお高いです。本日もパリの古書店から「ビリティスの歌」が560万で出ています。

妖しくも美しいが一度ハマったら身の破滅というところは禁止薬物と変わりません。

もし、健全な一般人であるあなたが安全にバルビエの挿絵本を楽しみたいなら、コスパ(コレクターにあるまじき語ですが)のいいモルネー社の美本双書四点「ブレオ氏の出会い」「二重の愛人」「逃亡」「罪ある女」がおすすめです。

どれもロココ趣味のバルビエ挿絵が堪能できます。

今日の一冊はブエノスアイレス古書店からとてもリーズナブル(またしてもコレクターにあるまじき…)に入手した、モンヴァル紙刷りの40部限定版です。安さはおそらく為替レート(ペソ暴落)のおかげでしょう。

アルゼンチンは今でこそタンゴと国債デフォルトしか思い浮かびませんが、20世紀初頭、つまりアールデコの時代はG7クラスの富裕国でした。ヨーロッパから数々のぜいたく品とともに高級挿絵本もたくさん入ったことでしょう。

モンヴァル紙の40部はブエノスアイレスのVIAU Y ZONA書店がモルネー社に刷らせた別注分です。トランクヴェルの凝った装幀で、おそらく予約を取って装幀したうえで輸入したものと思われます。

この本は発注から40日以上たってほぼあきらめたころに届きました。なんだか「南米のパリ」と呼ばれたころのブエノスアイレスから時空を超えてやってきたようにも感じます。

 

今日の一冊 : アンリ・ド・レニエ「ブレオ氏の出会い」1928年、A.G.モルネー社刊。