青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

青い「青い鳥」 A.E.マルティ

f:id:kenta1930:20200116124044j:plain
f:id:kenta1930:20200116124108j:plain
f:id:kenta1930:20200116124142j:plain
f:id:kenta1930:20200116124207j:plain

令和元年の展覧会めぐり、〆は鹿島茂コレクション「アール・デコの造本芸術」展へ。 日比谷図書文化館というジミな会場のせいか、週末というのに人影はまばら。でも内容は愛好家にとってこの上ない展覧会でした。

最大の収穫はバルビエの「ビリティスの歌」「散文詩」マルティの「誘惑者」が生で見れたこと。さすが鹿島先生、こんな稀少本を惜しげもなく公開するなんて太っ腹です。

 

館内のカフェで同行のコレクターA氏が私の蔵書画像を見ながら「あ、この「青い鳥」装幀いいですね! だって青いもん!」とほめてくれたのが今日の一冊。

まさに同感です。そう思って私もチェリーレッドのかわいい初代から、より青い「青い鳥」を求めて買い替え、これが四代目。ミッドナイトブルーのモロッコ革装が気に入っているのでこれで打ち止めかな。

「青い鳥」をはじめ、私の脳内では作品と色が結びついているものがあって、「風車小屋だより」はグリーン、「クレーヴの奥方」は深紅とイメージが決まっているのですよ。どういうわけか。

 

ところで、マルティ挿絵の真価はインテクスト(本文組み込み挿絵)にあると思っています。テクストと一体になった挿絵の構成はとても見事で、デジタル編集のない時代にはさぞ高度な版組みの技だったろうな。

 

本日の一冊:メーテルリンク「青い鳥」1945年、ピアッツァ社刊。