青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

愛書家

産院の A · E · マルティとG · ルパープ

「現代育児学の問題と諸相」1943年刊 上の画像はアールデコ挿絵本の中でもかなり珍しい作品です。といっても希少というわけではありません。無記番なのでかなりの部数が発行されたはず。珍しいのはその内容で、なんと出産と育児学、それも内容からして家庭向…

「アール・デコ挿絵本」の本

鹿島茂「バルビエ X ラブルール」「モダン・パリの装い」「アール・デコの挿絵本」(順に求龍堂、求龍堂、東京美術) 荒俣宏「流線型の女神」「不思議のアールデコ」「二十世紀イリュストレ大全」「ブックス・ビューティフル Ⅱ」(順に牛若丸、みき書房、長崎出…

アール・デコの “ それから ”  G・ルパープ

以前、 “ あの人は今 ” というバラエティ番組がありました。かつての人気者の今を覗き見るという失礼な番組です。考えてみれば、世の “ 流行りすたり ” に比べて人生の方が長いのは芸能界に限らず厄介なことですね。アール・デコのスター達は大流行の後をど…

愛書家たちの名残り

上段左 / 「風車小屋便り」と絵はがき。上段右 / 「聖書物語」とクリスマスカード。下段左 / 「誘惑者」。下段右 / 綴じ込まれていたジェラール・ドゥーヴィルからラ・ロシュフコー伯爵への書簡。 挿絵入りのミュッセ作品集を手に入れたときのこと。大きな国…

“ 集めた本を読むわけがない ”

上のタイトルは鹿島茂著「それでも古書を買いました」の見出しです。挿絵本も同様で、コレクターにとってそれらは一種の美術品か西洋骨董であって、決して読書のツールではあリません。もちろん同時代の愛書家たちも読むために高い挿絵本を予約したわけでは…

“ ミュッセの主人公 ”  イリュストラシオン1931年クリスマス号

上段 : 原画(オフセット印刷) / 下段 : ポショワールによる挿絵 ミュッセ全集ピアッツァ社の「マルティ挿絵版ミュッセ全集」が刊行される直前、絵入り新聞イリュストラシオンの1931年クリスマス号に「ミュッセの主人公について」という記事が載りました。タ…

" 愛書家クラブ " という贅沢

上段 : 湯川72倶楽部、1986年刊 村上春樹 「中国行きのスロウボート」 / 下段 : ラテンアメリカ愛書家協会、1926年刊 ジェラール・ドゥーヴィル 「誘惑者」 A・E・マルティ挿絵 挿絵本の発行元として時折 ” LES BIBLIOPHILES DU ~ " と記されていることがありま…