青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

「愛書家クラブ」という贅沢 ・・・ ディナーも付いてます

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出版記念のディナーメニュー / 左2点 「エルネスティーヌ」 、 右2点 「ビリティスの歌・完全版 (ファクシミリ) 」

以前、手に入れた限定私家本に挿絵入りのディナーメニューが付いていて不思議に思ったことがあります。その後 ” エルネスティーヌ ” の上位トリアージ版を手に入れて謎が解けました。スイートセットと共についていたメニューには愛書家クラブの名前と日付、そしてタイトルに ” エルネスティーヌのディナー ” と明記してあったのです。加えて各メンバー宛にマルティ自筆の献辞が添えてありました。もちろん表紙はマルティのオリジナル銅版画です。

つまり、多くの愛書家クラブでは出版時にパーティ、ひらたく言えば「打ち上げ」を開き、ディナーには当の挿絵画家のオリジナル作品をあしらったメニューを配るというのがお決まりになっていたのですね。なんとも優雅な作法です。今から見ると一種のスノビズムとも受け取れますが、こんな遊び心があったからこそ豊かな発想が出来たのかも知れません。何よりも、残された美しい書物がそれを物語っています。