青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

木口木版

ポショワールの謎 その1

下段左から、刷り上がり、輪郭線のスミ版、色版の試し刷り アールデコ挿絵本の大きな魅力はポショワールという独特の彩色法です。1910年頃に始まり1950年代には消滅してしまいました。ただこの技法、詳しいことがあまりわかっていません。仕組みは簡単で、要…

A・E・マルティ 挿絵本ランキング (その4 )

〈 第3ゾーン モノクローム版画挿絵本 〉 上段左から「神話の情景」「エローとレアンドル」「エルネスティーヌ」/ 下段左から「その日限り」「愛のしずく」「サッフォー」 ここにはサッカーワールドカップで言うところの “ 地獄のグループ ” さながらに、銅…

アールデコを彩った " ポショワール " その1

ポショワール+木口木版(スミ版): 左から「フローラの王冠」「ミュッセ全集」2点 ポショワール+木口木版(色版) : 左から「雅歌」「エレーヌのソネット」「カサンドルの恋歌」 ポショワール+エッチング : 「誘惑者」3点とも。 ポショワールはアールデコ…

知られざるアーティスト          アンドレ・ドマン「悪の華」

今でこそファンの多いアールデコ挿絵本ですが、日本で知られはじめたのはせいぜいここ十数年ではないでしょうか。 鹿島茂氏は1993年に出した「バルビエコレクションⅡ ビリチスの歌」で自著を「ビリチスの歌(バルビエ挿絵)の初紹介」と述べています。また荒俣宏氏…

木口木版の暗闇 「わが友の本」A.E.マルティ

なんだか横溝正史のパロディみたいなタイトルになってしまいました。木口木版は木の切り口(年輪の見える方)を使った版画です。細かい表現が可能なうえ、活字と組んで製版できるので挿絵印刷に広く使われました。一方、高級挿絵本ではポショワール彩色の輪…