青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

懐かしい未来デザイン in 大谷記念美術館

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令和3年の展覧会めぐり、〆は大谷記念美術館の喜多俊之展。いつもはボローニャ国際絵本展などでおなじみの美術館で、企業イメージの強いプロダクトデザインの展覧会というのがちょっと不思議。

喜多俊之は日本とイタリアで活躍するプロダクトデザイナーです。今回は1980年~90年代の仕事が中心で、多くの作品はすでにレトロフューチャーの趣を漂わせています。椅子やカトラリーといった長い寿命を持つデザインに比べて、エレクトロニクス製品はテクノロジーの進歩とともにあっという間に資料的オブジェと化してしまうのは宿命かもしれません。

クライアントであるカッシーナやトーネット、シャープ各社の持ち味を生かしながら、随所に喜多らしさが見られるのはさすがに現代のプロダクトデザインです。かつての柳宗理のような作家色の強い製品群とは対照的ですね。

この大谷美術館、ロビーやカフェからよく手入れされた庭園が見渡せる気持ちのいい美術館です。公益財団法人の運営ですが、その成り立ちのゆえか個人美術館のよさを感じさせます。