青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

「 装飾は罪悪である 」アドルフ・ロース

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上段:カフェ・ムゼウム外観 / 下段左から:ロースハウス階段、ヴィラ・ミューラー(2点)、ヴィラ・カルマ(2点)   

 

芸術家の言葉は額面通り受け取れないものが多いですね。アドルフ・ロースは20世紀初頭ウィーンで活躍した建築家、インテリアデザイナーです。タイトルの言葉は当時流行った " 金ぴかウィーン " へのアンチテーゼとして発したものでしょう。しかし現代の目で見ると、大理石や鏡、モザイクタイルなどの素材感を生かしたロースの " 装飾性 " はとても魅力的です。

リアルにロースのインテリアを味わったのは、大幅に改装されてしまったカフェ・ムゼウムだけですが、画像から想像してもケルントナー・バー(現ロース・アメリカン・バー)のカウンターで飲むマティーニは格別だろうし、ロースハウスの鏡張りの階段は通る人の高揚感が伝わってくるようです。ヴィラ・カルマやヴィラ・ミューラーに見る、変化に富んだ空間と程よい非日常性は住む人を心豊かにしたことでしょう。

建築史的には後期のモダニズム建築での評価が高いロースですが、もし彼が現代にいたら、その贅沢な素材感と快適な空間は、ブティック、ホテル、ファッションモールなどから引っ張りダコだったでしょうね。

私が時空を超え、ついでに予算など忘れて自邸の設計を任せるなら、ル・コルビュジエでもフランク・ロイド・ライトでもなくぜひアドルフ・ロースにお願いしたいものです。妄想・・・