青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

熊川哲也 Kバレエ カンパニー " 海賊 "

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画像はKバレエ カンパニーの公演パンフレット

現代日本のディアギレフ熊川哲也率いるKバレエ カンパニーが、春以来延期を重ねた末にようやく公演再開を果たしました。タイトルは"海賊"、古典レパートリーとしては珍しく男性ダンサーが活躍する演目です。半年以上に及ぶブランクを感じさせない見事なパフォーマンスでした。

このバレエ、事実上の主役はキャスティング表では三番手になる"アリ"です。華やかなソロの多い海賊のサブリーダー役で、現役時代の熊川を代表するレパートリーでもあります。この日は若きプリンシパル山本雅也が演じました。ローザンヌで三位入賞を果たしたラ・バヤデールのヴァリアシオンから7年、今回の海賊ではさらに色気と凄みを増しての名演でした。

このバレエ、ダイナミックなストーリーも熊川による再振付けも素晴らしいのですが、難は音楽です。複数の作曲家による寄せ集めなので流れが悪く統一感もありません。熊川さん、ここはひとつ才能あるアレンジャーを起用してバレエ史に " arranged by KUMAKAWA " の名を残してはいかがですか ?  おまけに今回は感染防止のためカラオケになってしまいました。この困難な条件下でよく公演を成功させたものです。

それにしても極端な感染病恐怖症だったディアギレフならバレエ・リュスを率いて今のコロナ禍にどう対応したでしょうね。