青い鳥

アール・デコ挿絵本の魅力を思いつくまま

幻の「ルネ・ラリック展」

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 東京都庭園美術館の「ルネ・ラリック展」はコロナ騒ぎで中断したまま終了してしまいました。開幕早々に出かけなかったのが悔やまれます。ラリック好きの日本には専門美術館やコレクションがたくさんあって緊急事態でなければいつでも見ることができますが、やはりアール・デコの殿堂、旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)で見たかったなあ。

現役のブランドメーカーでもある「ラリック」は高級ガラス器やアクセサリーで知られていますが、なんといっても見ごたえあるのはインテリアです。なかでもラリックが晩年に情熱を注いだのは教会の内装で、こればかりは現地に足を運ぶしかありません。

彼が手がけた教会内装の最高峰「ノートルダム・ド・フィデリテ修道会礼拝堂」はノルマンディのカルバドス県にあります。機会があって訪れたことがありますが修道院という完全なプラベート空間なので、予約の上ミサが終わるのを待って見学させてもらいました。ラリック好きにとってはまさに至福の空間でした。

1931年、材料費だけの低予算と引き換えに彼はここで思い通りのラリックワールドを実現しました。無信心だった彼はのちにこの教会で盛式初聖体を受けたそうです。

ラリック巡りに手ごろなガイドブックが小学館から出ています。

 

今日の一冊:「ラリックをめぐるフランスの旅」2009年、小学館刊。